ペルシャ絨毯の産地・工房
ペルシャ絨毯は産地・工房ごとに特長があり、作品の素材や見た目・品質も大きく異なります。ペルシャ絨毯はイランの国策産業であり伝統文化でもあるためイラン全土で生産されています。特に5大産地と呼ばれる「タブリーズ」「ナイン」「エスファハン」「クム」「カーシャン」は日本でもすでにお馴染みですが、当店ではローカルと呼ばれる聞き慣れない地方産や遊牧民部族で生産されているものも取扱いさせていただいております。工房・職人につきましてはペルシャ絨毯発祥や発展におおいに貢献した工房から、近年メキメキと頭角を表してきた工房までを実際に現地を訪問した絨毯アドバイザーの目線からご説明しております。
ペルシャ絨毯の生産都市
ペルシャ絨毯は5大産地と呼ばれる代表産地とローカルと呼ばれる地方産地が存在します。産地ごとに使われる素材やデザイン・配色等に大きな特長があります。ただし、文化には国境がないため優れた技術者の往来は古えより常に行われており、技術やデザインは相互に影響を受け続けています。
ペルシャ絨毯の5大産地
中部高原地帯に位置するオアシス都市。エスファハンの絨毯は紡糸・染色・デザインなど全ての面に品質管理が行き届き、驚異的な織りと洗練された華麗な色調とデザインが特徴です。ペルシャ絨毯のデザインの伝統を最もよく守っており、最高級品産地の1つとなってます。 >>> エスファハン産地の解説へ |
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中北部の乾燥地帯に古くから栄えた陶器・タイルなどを産する伝統工芸の町です。絨毯のみならず天鷲絨やダマスク織りの産地としてもその名を知られています。カーシャン絨毯の典型は赤い地にシャーアッバスのバルメットを配したメダリオンコーナータイプのデザインです。 >>> カーシャン産地の解説へ |
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ビザンティン様式で名高い「青のモスク」があるイラン北西部に位置するイラン第2の都市。タブリーズ産絨毯は近代的な品質管理のもとバラエティーに富んだデザインと、ナイフと鉤針を合わせたようなタブリーズ特有の道具を用いたトルコ結びの正確無比で緻密な織りが特徴です。 >>> タブリーズ産地の解説へ |
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日本では最も知名度の高い絨毯産地で歴代王朝の君主の多くが眠る宗教色の濃い町です。伝統にとらわれること無く敏速に海外市場の動向や時代の潮流をとらえ、各産地の技術やデザインの中から最良のものを巧みに取り入れています。近年はオールシルクの絨毯の産地として有名です。 >>> コム産地の解説へ |
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エスファハンの北東部郊外に位置するオアシス都市。かつてはペルシャ風の外套に使用されるウール布の産地として知られた町であったが西洋式衣服の普及により新たに絨毯生産に活路を求め、1920年代から本格的に生産が始まった。ナイン産絨毯の特徴は濃紺・ベージュ・クリーム・白等の限定された色彩による配色です。 >>> ナイン産地の解説へ |
ペルシャ絨毯のローカル産地
シャーレザはその北側にはイスファハン、西側にはバクティアリ地方があるイラン南西部に位置しています。この産地の絨毯の特色としては色使いや柄はゴムウールとよく似ており、比較的毛足の長い実用性の有る絨毯を作製する点などが挙げられます。 >>> シャーレザ産地の解説へ |
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ビルジャンドは首都テヘランから1309km離れたイラン南東部に位置します。ここで織られる絨毯はタブリーズのマヒ文様に良く似たヘラティ文様を中心にデザインされた絨毯を作る事でその名を知られるようになりました。 >>> ビルジャンド産地の解説へ |
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ビジャーはクルデスタン州の北西に位置する人口約2万人の町で乾燥した山々に囲まれた肥沃な土地です。独特の技術で横糸を2重に織り込むことでビジャーの絨毯は頑丈で長持ちすると言われています。 >>> ビジャー産地の解説へ |
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イランの南東部ルート砂漠の高地に位置し、かつて歴史上・軍事上の重要な役割を果した歴史都市ケルマンから140kmに位置する小さなラバー村です。愛らしい薔薇が絨毯一面に咲き誇る逸品絨毯はこの村において制作されたものです。 >>> ケルマンラバー産地の解説へ |
ペルシャ絨毯の工房
長年に渡り伝統を守り育んできた工房から、新進気鋭で斬新なデザインを取り入れて頭角を表している工房までご紹介しております。店主・スタッフが実際に現地でお会いした方ばかりです。詳しくは詳細ページへお進みください。
スーパー・プレミアム工房
マームッド・ヌーリは1963年ペルシャ絨毯の主要産地のクムで生まれ、幼少の頃から家業の絨毯工房で絨毯製作の手ほどきを受けた。素材・染色・デザイン・織り・色調などの観点から見ても最高の技術力を結集し、伝統とモダニズムを見事に表現、すぐれた才能を遺憾なく発揮。 >>> ヌーリ工房の解説へ |
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ジェッディ工房は長男アリ・次男アボルガッセム・三男モーフセンの3人兄弟で運営している。織りの技術のみならず、糸の選定から染色までの素材の工程も大変洗練されており、イランで絨毯に携わるすべての人々は彼らの作品を最高傑作として評価している。稀少価値が非常に高く、幻の一品。 >>> ジェッディ工房の解説へ |
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セイエディアン工房はラスゥール(1972年生)・メーディ(1975年生)・ハッサン(1977年生)・カリール(1981年生)の4兄弟によって運営されるピクチャー絨毯で有名な絨毯工房の一つです。セイエディアン工房はその技術・写実性・妥協を許さない生産工程において高い評価を得ています。 >>> セイエディアン工房の解説へ |
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ペルシャ絨毯の代名詞ともなりその名を世界に轟かせたセイラフィアン工房は、今世紀初頭エスファハンにおいてレザー・セイラフィアン(1880-1973)によって始められた工房です。セイラフィアン工房を率いるモハマッド・サデグは優雅で繊細な作品を創り出し、今なお伝承しています。 >>> セイラフィアン工房の解説へ |
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ここ数年でヨーロッパでも有名工房の一つにのし上がってきているのがダヴァリ工房です。3兄弟アブドゥラヒーム・ホセイニ・モハマッドによって設立されたこの工房は月産約20枚の絨毯を製作し、その周辺はダヴァリ村と呼ばれるほどの有名地となっている。 >>> ダヴァリ工房の解説へ |
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ババイ工房はペルシャ絨毯の名だたる産地であるゴムのババイ一族からなるファミリー工房で、ハイクオリティーのオールシルクの高級品を制作している有名工房です。特に四角形の形状のヘシティ文様はこの工房の独壇場で世界的に高い評価を得ています。 >>> ババイ工房の解説へ |
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コムの中でもミルメーディ工房は上品で繊細優雅な色使い、特に淡い色調に優れた才能を持った世界的工房です。構図を駆使しメインカラーやサブカラーの華やかでいながら甘さを知的でシックな甘やかな色調にしてしまうのはミルメーディ工房の独壇場と言えるでしょう。 >>> ミルメーディ工房の解説へ |
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ラジャビアン工房はペルシャ絨毯の主要産地の1つクムを代表する有名な絨毯工房です。そのクムの中でもラジャビアン工房は繊細で優雅な色使いを用い、高品質な絨毯を製造するイランの中でも1,2を争う世界的工房です。 >>> ラジャビアン工房の解説へ |
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ゴムにラジャビアン・アルサラーニと共に絨毯製作を持ち込んだ創始者の一人としても有名です。他の工房のように新しいデザインや色・柄を取り入れるのではなくペルシャ絨毯の伝統を重んじ、クーデスタン(セネ)のウールの柄をシルクに取り入れて伝統的なデザインを今なお引き継いでいます。 >>> ラシティザデ工房の解説へ |
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全国に約700の織工場・1,200台の織機・25,000人の織職人を擁し、年間60,000平方メートルを生産する商業省所轄のイラン最大の国営ペルシャ絨毯工房です。1934年設立以来ICCが生産する絨毯は素材・デザイン・染め・織り・仕上げなどすべての面で最高の品質を保つ一方で業界の指導に当っています。 >>> イランカーペット公社の解説へ |
ハイ・クウォリティー工房
ルネサンスの2代目として活躍したアッバースゴリ・サーベルは若くしてアム・オグリ工房責任者として才能を発揮した人物です。38歳という若さで独自の工房を設立、長年に渡り品質の良い絨毯を世に送りだしてきました。 |
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アブドル・モハンマッドが設立した工房でイラン史上最高品質の絨毯を生み出したと呼ばれています。初代パーレビ国王が1931年に宮殿用の絨毯をつくるのに選んだのがアム・オグリ工房でした。アブドル・モハンマッドは国王からの名誉ある注文全ての完成を待たずこの世を去りました。 >>> アム・オグリ工房の解説へ |
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1935年アリ・アクバル・ホセイニ・アリ・ナサーブ氏によってイラン国西北部タブリーズで創立されました。動物を中心とした製作に重点をおき、独自の色彩と美の世界を創造して現在結実の領域に入って来ているといわれています。神技を超える驚異の色彩と美の煌めきは自身を持って贈るものです 。 >>> アリ・ナサーブ工房の解説へ |
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エクスィル工房はイランの首都テヘランにてペルシャ絨毯の製造の監督管理を行っており、有名工房や他の品質の高い絨毯を製造する工房などを選び製造を依頼し、より良い品質のペルシャ絨毯を世界に広めている工房です。 >>> エクスィル工房の解説へ |
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ハギギ一族によりとある工房が活気を取り戻したのは1891年頃のことです。記念すべき初オーダーはエスファハンの統治者ゼル・ソルタン王からのもので、王の全身写真を織り込んだ絨毯が製作されました。ハギギ工房は設立当初から絨毯産業において高い評価を獲得しました。 >>> ハギギ工房の解説へ |
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ハシェミヤン工房はペルシャ絨毯の五大産地の一つであるクムのファミリー工房で、高品質のオールシルク絨毯の製作を手がけている。従来からの伝統的な文様を取り入れながらも独自のアイデアを組み込み、見栄えは近代的で日本人が好むデザインと色柄に仕上げている。 >>> ハシェミヤン工房の解説へ |
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伝統的なエスファハンの手法・デザインを尊重しながらも、従来では使われないグリーン地の色を採用しました。ダルダシティはデザインと色の使用を発案し続け、1997年にジュネーブでグローバル・クオリティ・マネージメントの賞を授与しております。 |
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ハビビアン工房はクラシックとモダンを併せ持つ斬新で独創的な世界を生み出しヨーロッパやアメリカでは絶大な評価を得ています。底した工程管理のもとに優れた品質の絨毯を一定の量産を誇っております。 >>> ハビビアン工房の解説へ |
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数多いクムシルク生産者達の中でもハイレベルの品質を誇りながら、優美な構図と斬新な色使いで昨今、頭角を現しているのがゴラムレザ・マープール率いるマープール工房です。マープールの研ぎ澄まされた感性はその特徴とも言える大胆かつ斬新な色使いを生み出してます。 >>> マープール工房の解説へ |
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カーメスィもナイン産地では有名工房の一人であり、この工房絨毯はシックな紺系で豪華さを引き立たせている。またメダリオン中央部にはモスク柄の直線デザイン、その周りには普通のエスリムの曲線デザインと柄的にも巧みな技術を駆使した逸品です。 >>> カーメスィ工房の解説へ |
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「真の価値ある絨毯製作」をモットーに伝統柄を用いながらも時代の流れや市場の動向を意識し、それに対応する柔軟性を持った織匠で非常に洗練されたエキゾチックなデザインの絨毯を作ることで知られています。「美術品」的価値と「実用品」的価値を併せ持った寡作の工房です。 >>> デラクシェシュ工房の解説へ |