ジェッディ工房
ジェッディ工房は、長男アリ、次男アボルガッセム、そして三男モーフセンの3人兄弟で、1972年に長男アリ(当時19歳)が、コムで絨毯の制作を開始した。次男と三男が十代後半から、アリの会社で社員として働き、絨毯の織りの勉強をし、その後独立をした。アリ・ジェッディは、この30数年で約1,000枚の絨毯を制作し、一枚一枚の作品は、織りの技術のみならず、糸の選定から染色までの素材の工程も大変洗練されている。
彼らの作品は、テヘランやコムのバザール、つまりイラン市場であまり拝見することがない。そのため、一見無名工房のように見受けられるが、イランで絨毯に携わるすべての人々は、彼らの作品を最高傑作として高く評価しており、認知度も非常に高い。すなわち、ジェッディ工房は、イランでシルク絨毯を制作する日本でもお馴染みのマスミ、ジャムシディ、ラジャビアンといった有名工房に匹敵、あるいはそれ以上の作品を世に送り出している。
他の有名工房の作品は、しばしばバザール等で目にするが、ジェッディ工房の絨毯を見つけることは非常に難しい。その理由が三つある。まず一つ目が、彼らの作品の一点一点は、130万ノット/平方メートルという織りの細かさと品質の高さが特徴で、1平方メートルの絨毯を織り上げるのに一年という長い時間を要する。二点目が、織り技術の高さだけではなく、常日頃から原材料の徹底した品質管理や染色技術の向上を求め研究しているため、年間総生産数が限られている。最後に最も重要な特徴が、彼らは制作した作品を、彼らのお店を含め、イラン国内で展示することを避けている。そのため、イランの絨毯業界の人々が、公の場で彼らの作品を目にすることが非常に少ない。
イランでは、デザインや技術の盗難が多く、彼らはその漏洩を防ぐため、特に新しいデザインの作品は国内で無造作にディスプレイすることを避けている(アリ・ジェッディ曰く)。そのため、他の有名工房のような派手さは感じられないが、デザイン、品質では、全く引けをとらない。さらに、彼らの各作品の品質は、非常にばらつきが少なく、複雑な高い技術を要する房部分にキリムが施されている作品も増えてきている。近年からの新しいデザインの中には、房のキリム部全体にさらにパイルが織り込まれた作品も登場している。今後さらに斬新なデザインの数々の作品が、世の人々を楽しませてくれるであろう。
・デザイン |
斬新なオリジナルデザインで上下にはキリムが施され、その部分にもパイルが織り込まれている類い稀なデザイン。 |
|
---|---|---|
・色 |
赤・紺・ベージュ以外にも緑・青・黄といった淡い色も使用し、数色の撚り糸もパイルと縦糸に用いる多彩な色遣い。 |
|
・技術力 |
平均120〜130万ノット/平方メートルといった驚異的な織りの細かさ。シルクでキリムが施され、さらにパイルが織り込まれている手法は、凄まじい技術を要する。 |
|
・素材品質 |
厳選されたハイグレードの絹糸を草木で染色し、さらに染色された絹糸から最高級のものを選別する。 |
|
・総合評価 |
コムで数人しかいない有名工房の1人。多彩なデザインと色彩を独特の織り手法で描かれた作品は天下一品。 |
当店のジェッディ工房作品
|
|
|
ペルシャ絨毯の工房
ペルシャ絨毯発祥に携わる有名工房はもとより、新進気鋭の工房までをご紹介しております。
ヌーリ |
ジェッディ |
セイエディアン |
セイラフィアン |
ダヴァリ |
ババイ |
ミルメーディ |
ラジャビアン |
ラシティザデ |
|||
アバースゴリ |
アム・オグリ |
アリナサーブ |
エクスィル |
ハギギ |
ハシェミヤン |
ダルダシティ |
ハビビアン |
マープール |
カーメスィ |
デラクシェシュ |
ICC |
ペルシャ絨毯の生産都市
ペルシャ絨毯は5大産地と呼ばれる代表的な生産地とローカル産地が存在します。
Esfahan |
Kashan |
Tabriz |
Ghom |
Nain |
|||
Shahreza |
Birjand |
Bijar |
Kerman-ravar |