カーシャン産地(Kashan)
古い歴史を誇る町カーシャンはイラン中北部の乾燥地帯に位置し、遥か昔よりイラン最大の繊維の町(シルク・ウール・コットン)として知られてきました。またペルシャ絨毯の産地としても広くその名が通っています。ペルシャ絨毯に関しては1539年カーシャンのマグスードによってかの世界的に有名なアルデビル絨毯が製作されました。また現在、オーストリアのウィーン博物館が所蔵するハンティング絨毯も、ニューヨークのメトロポリタン美術館が所蔵するシルクの絨毯も、同じ16世紀にカーシャンで製作された作品です。カーシャンの絨毯産業はペルシャ激動の歴史に大きく影響を受けました。
今から300年以上前にサファビー朝がアフガン軍の侵攻を受け滅亡し、カーシャンを含むイラン全土の町が廃墟と化しました。その結果最盛期を迎えていたこの町の絨毯産業もその後約200年の間完全に姿を消しました。そしてさらに19世紀後半には目覚しい産業化を遂げたイギリスから良質の繊維が大量に輸入されるようになり、繊維産業も大きな打撃を受け衰退していきました。柱を失った町で繊維産業に代わり町を支えたのが絨毯産業の復興でした。
1890年から約10年、カーシャンではイギリスのマンチェスターから輸入されたウールで絨毯が製作されており、それらが「マンチェスター・カーシャン」として歴史に記録され現在でも作品の数々が残っています。それ以前はこの町の代表的人物であるモータシャムが絨毯のデザインから製作までを行い、彼の作品は「カーシャン・モータシャム」として今日まで残っています。
その後ここからレザーナッガーシュなどの多くの新鋭が輩出され、絨毯産業に新風を吹き込んできました。20世紀前半にはカーシャンの優れた職人達がこれまで絨毯産業のなかったゴムに渡りシルクを中心に新しい絨毯製作を展開、今日では代表産地の一つになっています。
織りはペルシャ結び。品質はタブリーズ産のものと同じように「ラージ」で表す。ラージの基本巾は6.5cmです。中級品は1ラージ巾に35結び。高級品は50〜60結び。稀に70ラージ品の超高級品も存在します。
・デザイン |
エスリム調中心のメダリオン柄が中心。 |
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・色 |
赤・ベージュ・紺基調が中心。 |
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・技術力 |
ウール・シルク共に織りの技術は他の産地に比べ長い歴史があり、熟練した織り子が多い。 |
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・素材品質 |
コマーシャルから高級ウールのコルクを使用した幅広いグレード。 |
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・総合評価 |
伝統的でオーソドックスな色柄。 |
当店のカーシャン産地作品
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ペルシャ絨毯の生産都市
ペルシャ絨毯は5大産地と呼ばれる代表的な生産地とローカル産地が存在します。
Esfahan |
Kashan |
Tabriz |
Ghom |
Nain |
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Shahreza |
Birjand |
Bijar |
Kerman-ravar |
ペルシャ絨毯の工房
ペルシャ絨毯発祥に携わる有名工房はもとより、新進気鋭の工房までをご紹介しております。
ヌーリ |
ジェッディ |
セイエディアン |
セイラフィアン |
ダヴァリ |
ババイ |
ミルメーディ |
ラジャビアン |
ラシティザデ |
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アバースゴリ |
アム・オグリ |
アリナサーブ |
エクスィル |
ハギギ |
ハシェミヤン |
ダルダシティ |
ハビビアン |
マープール |
カーメスィ |
デラクシェシュ |
ICC |